皆さん、こんにちは。
福岡市南区を中心に活動しています公認会計士・税理士の奈須大貴です。
「税理士から連絡が来るのは、決算や申告の前だけ」「何か聞けば答えてくれるけれど、向こうから提案されることはほとんどない」。今の顧問契約について、そう感じたことはありませんか?
税金の計算や申告を正しく行うことは、税理士の大切な仕事です。ただ、会社を経営していると、相談したいことは決算前以外にも生まれます。制度が変わったとき、投資や採用を考えたとき、利益は出ているのに預金が減っているとき。経営者が判断する前に、必要な情報を一緒に確認できる関係をつくりたいと私は考えています。
この記事では、税理士からの提案や情報提供に物足りなさを感じたとき、何を期待し、どのような顧問サービスが自社に必要かを考えてみます。
税理士からの連絡が少ないと、何に困るのか
連絡の回数は、多ければよいわけではありません。毎週一般的なニュースが大量に届いても、自社に関係があるか分からなければ、経営者が読む負担を増やしてしまいます。
一方で、「決算が終わって初めて税金の額を知った」「制度が変わっていたことを後から聞いた」「資金繰りが厳しくなってから融資を考え始め、もっと早く相談しておけばよかったと感じた」という状況は避けたいところです。問題は連絡の回数そのものよりも、判断が必要な時期に、必要な話ができているかどうかです。
現在の顧問契約が申告中心の内容であれば、税理士からの提案が少ないことは、契約内容との違いかもしれません。まずは自社が「正確な申告」を中心に求めているのか、「期中の数字や経営についても相談したい」のかを整理することが大切です。
経営者に必要な情報は、会社によって違います
税制改正は「自社の取引に関係するか」まで確認したい
税制改正の概要を読んでも、経営者が知りたいのは「結局、うちの会社は何をすればいいのか」ではないでしょうか。同じ変更でも、取引先や商品の種類、会計ソフトの設定によって、確認すべきことは変わります。
例えば、消費税の取扱いが変わる場合には、変更日だけでなく、対象となる取引、請求書や帳簿の確認、会計ソフトの税区分まで見る必要があるかもしれません。制度の説明を送るだけで終わらず、会社で実際に行う経理に置き換えて考えることが重要です。
補助金や融資は、会社の予定を知っていてこそ提案できる
補助金の公募や融資制度が発表されても、すべての会社が利用すべきとは限りません。設備投資や新規出店の予定、資金が必要な時期、自己資金や返済の見通しを踏まえて検討する必要があります。
例えば、半年後に店舗を増やしたいと考えている会社なら、出店直前に資金調達の話を始めるより、先に必要資金や事業計画を整理する方が動きやすくなります。制度のニュースを知っているだけでは、こうした提案はできません。普段から会社の計画を聞き、数字を確認しておくことが土台になります。
会社自身の数字も、早めに届けたい情報です
経営者に必要な情報は、外部のニュースだけではありません。今期の利益がどのくらいになりそうか、納税額はいくらか、納税後に手元資金は残るか。こうした会社自身の見通しは、投資や採用を考えるうえで重要です。
利益が出ていても、売掛金や在庫が増えたり、借入金の返済が続いたりすれば、預金残高は減ることがあります。だからこそ、月次決算で数字を確認し、利益と資金繰りの両方を見る必要があります。決算後に結果を伝えるだけでなく、期中にこれからの見通しを話すことが、経営者の判断に役立ちます。
「情報提供」と「提案」は何が違うのか
情報提供は、「こういう制度が公表されました」と知らせることです。提案は、そこから一歩進んで、「御社の状況なら、まずこの点を確認しましょう」と伝えることだと思っています。
例えば、補助金の案内なら、公募ページのリンクを送るだけでなく、会社が予定している投資との関係や、検討するならいつまでに何を準備するかを考える。税制改正なら、概要を伝えるだけでなく、対象となりそうな取引があるかを確認する。納税予測なら、税額を示すだけでなく、支払いに備えて資金をどう確保するかを話す、という違いです。
もちろん、すべての情報について個別の提案が必要なわけではありません。経営者が限られた時間で判断できるよう、重要なものを選び、次に何をするかが分かる形で伝えることを大切にしたいと思っています。
奈須事務所では、情報をどう確認しているのか
当事務所では、税務・会計、法改正、金融、補助金、中小企業政策などの情報を日々確認しています。AIや自動化を活用し、前営業日に公表・更新された情報を毎朝整理するほか、有益なメールやセミナー情報なども週ごとに振り返っています。
ただし、AIが選んだ情報をそのまま顧問先に送るわけではありません。元の公表資料を確認し、制度の内容を確かめたうえで、その会社の事業や今後の予定に関係するかを私が判断します。情報収集を効率化するのは、一件一件の顧問先について考える時間をつくるためです。
例えば「この制度は新しく公表されたが、今の事業計画には関係が薄い」と判断することもあります。反対に、まだ経営者が気付いていなくても、予定している投資や現在の経理処理に関係しそうなら、早めに確認した方がよい場合もあります。必要な情報を選ぶには、ニュースと会社の状況の両方を見なければなりません。
納税予測を例に、情報を届ける時期を考えてみる
例えば、12月決算の会社を考えてみます。6月頃に半年分の数字を確認できれば、年末までの利益や納税額について最初の見通しを立てられます。この段階なら、納税資金をどう確保するか、今後の支出や投資予定をどう考えるかを話す時間があります。
9月頃には、その後の実績を反映して見通しを更新します。想定より利益が増えているのか、売上は伸びているのに資金が減っているのかによって、確認すべきことも変わります。決算直前に慌てて数字を集めるより、早い段階から見通しを修正していく方が、経営者は準備しやすくなります。
これは12月決算の会社を使った一例です。当事務所の税務顧問サービスでも、第2四半期頃から利益や納税額の見通しを確認し、第3四半期には精度を高めながら決算に備えることを重視しています。
必要な提案を受けるために、経営者から伝えてほしいこと
税理士が会社に合った情報を選ぶには、数字だけでは分からないこともあります。「来年、人を採用したい」「新しい店舗を出したい」「借入を検討している」「今の経理担当者の負担が大きい」。こうした予定や悩みを共有していただけると、確認すべき情報が具体的になります。
まだ決定していない段階でも大丈夫です。むしろ、決まってから相談するより、「検討している」という時点で話していただいた方が、数字や制度を踏まえて一緒に考える時間を取れます。税理士との面談を、過去の数字の報告だけでなく、今後の予定を話す場にしていただきたいと思っています。
今の顧問契約に物足りなさを感じたら
「税理士から提案がない」と感じたときは、まず何について提案してほしいのかを整理してみてください。制度改正の影響を知りたいのか、納税額を早めに知りたいのか、資金繰りや融資について相談したいのか。それによって、必要な顧問サービスの内容も変わります。
現在の税理士に希望を伝え、対応できる範囲や連絡の頻度を確認するのも一つの方法です。それでも求めている支援との違いが大きい場合は、顧問契約の見直しを考えてよいと思います。税理士を変更するかどうかも含め、まずは自社がこれから必要とする支援を明確にすることが大切です。
奈須大貴公認会計士・税理士事務所では、公認会計士・税理士の奈須大貴が直接お話を伺います。「決算前だけでなく、期中の数字も一緒に見てほしい」「自社に関係する制度や資金調達について相談したい」という方は、お問い合わせフォームから現在の状況をお聞かせください。
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奈須大貴公認会計士・税理士事務所
所長 奈須大貴

