皆さん、こんにちは。
福岡市を中心に活動しております、公認会計士・税理士の奈須大貴です。
皆さんの会社では、毎月「試算表」を確認していますか?
「税理士から毎月送られてくるけれど、ほとんど見ていない。」
「決算の時だけ利益や税金の話を聞いて終わっている。」
そんな会社も少なくありません。
しかし、本当に会社を強くするために必要なのは、年に一度の決算書ではなく、毎月の試算表です。
実は、日本公認会計士協会が公表した「上場会社等における会計不正の動向(2026年版)」では、2022年3月期から2026年3月期までの5年間で205社もの上場会社が会計不正を公表しています。毎年約40社のペースで発覚しており、決して珍しいことではありません。
もちろん、上場会社と中小企業では会社の規模も環境も異なります。
しかし、この調査から私たち中小企業にも共通して言える、大切なことがあります。
それは、「数字を見ていない会社ほど、問題に気付きにくい」ということです。
この記事では、なぜ私が毎月試算表を確認することを大切にしているのか、その理由についてお話しします。
会計不正は「悪い会社」だから起きるわけではない
「会計不正」と聞くと、
- 架空売上
- 横領
- 粉飾決算
といったニュースを思い浮かべる方が多いでしょう。
「そんなことをする会社のことは関係ない。」
そう思われるかもしれません。
しかし、実際には多くの不正は、ほんの小さな判断から始まります。
例えば、
- 今月の売上を少しだけ前倒しで計上する
- 赤字を避けるために費用計上を翌月へ回す
- 在庫を正しく管理していない
- 売掛金を長期間放置してしまう
最初は「今月だけ」「少しだけ」という気持ちだったとしても、それが積み重なることで修正できなくなり、結果として大きな問題へ発展するケースがあります。
日本公認会計士協会の調査でも、公表された会計不正の約74%は粉飾決算でした。
つまり、多くの問題は、お金が盗まれるような事件ではなく、「数字の作り方」に関するものなのです。
本当に怖いのは「気付かないこと」
私はこれまで多くの決算書や試算表を見てきました。
その中で強く感じるのは、会社が悪くなる原因は、「問題が起きること」ではなく、「問題に気付けないこと」だということです。
例えば、
- 売掛金だけが増え続けている
- 利益率が急に下がっている
- 在庫が前年より大きく増えている
- 現金だけが減っている
こうした異変は、毎月試算表を確認していれば比較的早く気付くことができます。
一方で、決算の時だけ数字を見る会社では、「実は半年前から利益が落ち始めていました。」ということも珍しくありません。
問題は突然起こるのではなく、少しずつ積み重なっていくものなのです。
試算表は会社の「健康診断」
私は、お客様によくこんなお話をします。
「試算表は会社の健康診断です。」
例えば、人は年に一度しか体重を測らなければ、気付いた時には10kg増えているかもしれません。
血圧や血糖値も、毎年一回しか測らなければ、病気の発見が遅れてしまいます。
会社のお金も同じです。
決算の時だけ数字を見るのでは、
- 利益は本当に出ているのか
- お金は十分残っているのか
- 売掛金は回収できているのか
- このまま設備投資をして大丈夫なのか
といった大切なことを、タイムリーに判断することができません。
だからこそ、毎月数字を確認することが重要なのです。
税理士が毎月試算表を見る本当の理由
税理士の仕事は、「申告書を作ること」だと思われることがあります。
もちろん、それも重要な仕事です。
しかし、私はそれだけでは十分ではないと考えています。
税理士の本当の役割は、「数字を使って経営をサポートすること」だと思っています。
毎月試算表を確認することで、
- 利益率は適正か
- 資金繰りは問題ないか
- 売掛金や在庫は増えすぎていないか
- 将来の納税額はどれくらいになりそうか
- 今設備投資をしても問題ないか
などを確認し、経営者の方と一緒に次の一手を考えることができます。
つまり、試算表は税金を計算するためだけの資料ではありません。
未来の経営判断をするための資料なのです。
月次決算を、経営の武器にしませんか?
「試算表は毎月送られてくるけれど、数字の説明はほとんどない。」
「決算のときだけ利益や納税額の話をして終わっている。」
もし、そのような状況であれば、試算表を十分に経営へ活かせていないかもしれません。
当事務所では、税務申告を行うだけではなく、毎月試算表を確認しながら、
- 利益は計画どおりに出ているか
- 手元資金は十分に残っているか
- 資金繰りに問題はないか
- 設備投資や借入のタイミングは適切か
- 将来に向けてどのような経営判断をすべきか
などを経営者の方と一緒に確認し、数字を経営に活かすサポートを行っています。
数字は、過去を振り返るためだけのものではありません。
会社の未来を考えるための、大切な経営ツールです。
現在の税理士から試算表は受け取っているものの、数字の説明を受ける機会が少ない方や、「もっと経営について相談できる税理士を探している」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
会社の規模や業種を問わず、経営者の皆さまが数字を「見る」だけでなく、「経営に活かす」ためのお手伝いをさせていただきます。
数字を経営の最強の武器に。
奈須大貴公認会計士・税理士事務所
所長 奈須大貴

