福岡市で確定申告を税理士に頼むなら、12月から1月中に相談を始めるのが目安です。申告書を出す税務署は住んでいる区によって違いますが、税理士に依頼して電子申告で提出すれば、税務署へ足を運ぶ必要はほとんどありません。依頼先を選ぶときは、費用の安さだけでなく、確定申告だけを頼みたいのか、年の途中も相談できる形にしたいのかを先に決めておくと、自分に合う事務所を選びやすくなります。
この記事では、公認会計士・税理士の奈須大貴が、福岡市の区ごとの税務署、税理士に依頼する時期と頼み方、福岡で税理士を選ぶときに確かめたいことを解説します。
福岡市の区ごとの税務署
個人事業主の確定申告は、原則として住んでいる場所を受け持つ税務署に提出します。福岡市は区によって受け持つ税務署が分かれており、福岡国税局の「税務署別管轄区域の状況」(令和5年4月1日現在)では、次のように整理されています。
| 住んでいる区・市 | 受け持つ税務署 |
|---|---|
| 中央区、南区 | 福岡税務署 |
| 博多区 | 博多税務署 |
| 東区 | 地域によって博多税務署または香椎税務署 |
| 城南区、早良区、西区 | 西福岡税務署 |
| 筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川市 | 筑紫税務署 |
東区は、地域によって博多税務署と香椎税務署に分かれています。自分の住所がどちらに当たるかは、国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」で住所や郵便番号から調べられます。
なお、税務署が受け持つのは所得税と消費税です。住民税は福岡市、個人事業税は福岡県が受け持ちますが、所得税の確定申告をしていれば、その内容が市や県にも伝わるため、住民税や個人事業税の申告を別に出す必要は通常ありません。福岡県の「個人の事業税」のページでも、所得税の確定申告書を税務署に提出した人は、個人の事業税の申告書を出す必要がないと案内されています。
税務署がどこかを知っておくと、税務署から届く書類の差出人や、予定納税や納付の案内がどこから来るのかが分かります。ただし、税理士に依頼して電子申告で提出する場合は、申告書を持って税務署に行く必要はありません。申告書の提出も、税務署から問い合わせがあったときのやり取りも、税理士が窓口になります。
自分で申告するか、税理士に頼むかの目安
確定申告は、自分で会計ソフトや国税庁の作成コーナーを使って行うこともできます。それでも税理士への依頼を考えたほうがよいのは、次のような状態になったときです。
- 売上が増えて、記帳や領収書の整理が追いつかなくなってきた
- インボイスの登録をして、消費税の申告も必要になった
- 自宅兼事務所の家賃や車など、家事按分の判断が多い
- 車や設備を買い、減価償却の計算が必要になった
- 税務署から問い合わせが来たときに、自分だけで答えられるか不安がある
- 数年先に法人にするかどうかを考え始めている
どれか1つでも当てはまる場合は、申告の作業を任せられるだけでなく、判断に迷う部分を相談できることに依頼の意味があります。反対に、取引が少なく、毎年同じ形で申告できている場合は、自分で続けるのも一つの選択です。
依頼は12月から1月中に始める
所得税の確定申告の期限は、原則として3月15日です。ただ、税理士への依頼は、期限から逆算すると12月から1月中に始めるのが目安になります。理由は3つあります。
- 2月から3月は、どの税理士事務所も申告の作業が集中し、新しい依頼を受けられる枠が少なくなる
- 資料を渡した後に、税理士からの質問に答える時間が必要になる
- 申告書ができてから納付の日までに、納める税金を準備する時間が要る

特に初めて依頼する年は、帳簿の状態や家事按分の考え方を税理士とすり合わせる時間がかかります。期限が近づいてからの依頼では、確かめたいことを確かめきれないまま申告することになりかねません。月ごとの細かい日程と、渡す資料の一覧は、確定申告を税理士に依頼するなら、いつまでに何を渡す?で詳しく紹介しています。
2月以降の相談になったとき
2月に入ってから依頼先を探す場合でも、あきらめずに早めに問い合わせることが大切です。受けてもらえる事務所が限られるため、問い合わせの段階で、売上の規模、記帳の状態、手元にある資料をまとめて伝えると、間に合うかどうかの判断を早くしてもらえます。どうしても期限に間に合わない場合は、期限を過ぎたからといって放っておかず、できるだけ早く申告することが、負担を小さくすることにつながります。
反対に、10月や11月のうちに相談しておくと、年内に経費の支払いや設備の購入の時期を考えたり、翌年の準備を始めたりする余裕が生まれます。確定申告の依頼は、早く始めるほど、税金を「計算する」だけでなく「見通して備える」ことができるようになります。
依頼するときに最初に伝えること
税理士に問い合わせるときは、次の内容を最初に伝えると、依頼の範囲と進め方の案内がスムーズになります。細かい資料は、面談の後に案内を受けてから集めれば十分です。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 業種と開業した時期 | 内装工事の一人親方、令和5年に開業 |
| 1年間の売上の規模 | おおよその金額で構わない |
| 青色申告か白色申告か | 青色申告の承認を受けているか |
| 記帳の状態 | 会計ソフトに自分で入力している/領収書と通帳だけ |
| 消費税の申告 | インボイスの登録をしているか |
| 希望すること | 確定申告だけ頼みたい/年の途中も相談したい |
最初の段階で渡す資料は、前年の確定申告書の控え、事業で使っている通帳とクレジットカードの明細、売上が分かる請求書の控えの3つがあれば、おおよその作業量が見えてきます。控除の証明書や年明けに届く書類は、届いた順に渡していけば問題ありません。
税理士に頼んでも、本人がすること
税理士に依頼しても、すべてを任せきりにできるわけではありません。資料を集めて渡すこと、税理士からの質問に答えること、できあがった申告書の所得と税額を確かめること、期限までに税金を納めることは、依頼した本人の役割です。特に納付は、口座振替やダイレクト納付の手続きを早めに済ませておくと、期限の直前に慌てずに済みます。申告書の控えは、翌年の申告や融資、賃貸の契約で求められることがあるため、税理士から受け取って保管しておきましょう。
福岡で税理士を選ぶときに確かめたいこと
福岡市には多くの税理士事務所があり、検索すると料金の比較や紹介サイトが多く並びます。料金は大切な判断材料ですが、依頼してから「思っていたのと違う」となりやすいのは、料金以外の部分です。依頼の前に、次の点を確かめておくと安心です。
| 確かめること | 見ておきたい点 |
|---|---|
| 対応する地域と面談の方法 | 自分の住まいが対応地域に入っているか。来所が必要か、オンラインで済むか |
| 誰が担当するか | 資格を持つ税理士本人が対応するのか、担当者が窓口になるのか |
| 確定申告だけか、続けて相談できるか | 申告が終わった後も、年の途中で相談できる形があるか |
| 業種の経験 | 建設業、運送業、フリーランスなど、自分の業種を扱っているか |
| 連絡の方法と返事の目安 | 電話、メール、フォームのどれで連絡し、どのくらいで返事が来るか |
| 費用の決まり方 | 売上、取引の量、記帳の状態、消費税の有無で、どう変わるか |
なかでも大切なのが、「確定申告だけ」を頼みたいのか、「年の途中も相談したい」のかです。確定申告だけなら、1年分の資料をまとめて渡して申告書を作ってもらう形になります。年の途中も相談したい場合は、毎月の記帳と数字の確認を続けることで、納める税金の見通しを早めに立てられます。福岡の個人事業主が税金の負担を見直すときの考え方は、福岡の個人事業主へ|税金が思ったより高いと感じたら見直したい3つのポイントでも紹介しています。
当事務所の場合
奈須大貴公認会計士・税理士事務所は、福岡市南区大橋を拠点に、福岡市全域と、春日市・大野城市・那珂川市・太宰府市・筑紫野市の個人事業主のご相談をお受けしています。公認会計士・税理士の奈須大貴が直接対応し、面談はオンラインでも行えます。事務所での面談は完全予約制です。
お問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお受けしています。原則として1営業日以内にご返信し、面談の日程と、ご準備いただく資料をご案内します。最初の面談では、業種、売上の規模、記帳の状態、ご希望を伺い、依頼の範囲と報酬の考え方、資料のお渡し方法をご説明します。初めての年は確定申告だけのスポットでのご依頼として進め、申告を終えた後は、毎月の記帳と数字の確認を続ける顧問の形に切り替えることもできます。
顧問の形では、TKC全国会の会計システムを使って毎月の試算表を作り、第2四半期頃から年間の所得の見通しを立て、第3四半期でその精度を上げていきます。年末を迎える前に納める税金の見込みが分かるため、3月に慌てて資金を用意する必要がなくなります。報酬は、売上や取引の量、記帳の状態、消費税の申告の有無などで変わるため、状況をお聞きしたうえでご案内します。
一方で、次のようなご希望の場合には、当事務所は合わない可能性があります。
- 申告書の作成だけを、できるだけ安く依頼したい
- 予約をせずに、電話や来所でその場で相談したい
顧問契約での支援内容は、税務顧問サービスのページでご案内しています。
福岡市で確定申告の依頼先を探している方へ
福岡市で確定申告を税理士に頼むなら、12月から1月中に相談を始め、区ごとの税務署を確かめたうえで、確定申告だけを頼むのか、年の途中も相談したいのかを決めておくことが大切です。まずは、業種、売上の規模、記帳の状態の3つをメモにまとめておくと、問い合わせがスムーズに進みます。
「今年から税理士に頼みたい」「自分で申告してきたけれど、来年からは任せたい」という方は、手元の資料をもとに、依頼の範囲と進め方を一緒に整理します。福岡市南区大橋を拠点に、オンラインでの面談にも対応しています。

