確定申告はスマホだけでできる?令和8年分のマイナポータル連携と税理士に相談したいケース

「確定申告って、今はスマホだけでできるの?」
「マイナポータルと連携すれば、全部自動で申告できる?」

確定申告のデジタル化が進み、このように感じている方も多いのではないでしょうか。

国税庁は、令和8年分の確定申告について「スマホとマイナポータル連携でもっと便利に」と案内しています。

令和8年分の確定申告は、令和8年、つまり2026年1月から12月までの所得について、原則として翌年の令和9年(2027年)に行う確定申告です。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、所得税だけでなく、個人事業者の消費税、青色申告決算書・収支内訳書なども作成してe-Taxで送信できます。また、マイナポータルと連携すれば、給与情報や医療費、ふるさと納税などのデータを申告書へ自動入力できます。令和7年分の確定申告では約408万人がマイナポータル連携を利用しています。

確定申告の「提出作業」は、以前と比べてかなり便利になっています。

ただし、

「スマホで申告できる」=「税金の判断まで全部自動でやってくれる」

というわけではありません。

特に個人事業主の方は、ここを分けて考えることが大切です。

この記事では、令和8年分の確定申告でマイナポータル連携がどこまで便利になるのか、自分で申告しやすいケースと税理士への相談を検討したいケースについて、福岡市南区大橋の公認会計士・税理士が分かりやすく解説します。

令和8年分の確定申告は何が便利になる?

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って入力することで申告書を作成でき、税額も自動計算されます。

さらに、マイナンバーカードを利用してマイナポータルと連携すると、対象となる情報を取得し、申告書の該当項目へ自動入力できます。

現在案内されている主な対象は、

・給与所得の源泉徴収票
・公的年金等の源泉徴収票
・株式の特定口座年間取引報告書
・生命保険契約等の一時金・年金
・損害保険契約等の満期返戻金等・年金
・医療費
・寄附金(ふるさと納税など)
・国民年金などの社会保険料
・生命保険料、地震保険料
・iDeCo
・住宅ローン控除関係

などです。

さらに、令和9年1月以降は、給与情報のマイナポータル連携を利用できる方が大幅に増える予定です。

これまで源泉徴収票や控除証明書を見ながら一つずつ入力していた方にとっては、かなり便利になります。

マイナポータル連携をすれば確定申告が全部自動になる?

ここは注意したいところです。

マイナポータル連携は、対象となる収入や控除の情報を取得し、確定申告書へ自動入力してくれる仕組みです。

しかし、個人事業主の日々の売上や経費まで、マイナポータルが自動的に判断してくれるわけではありません。

例えば、

「この支出は経費になるのか」

「自宅家賃やWi-Fiはどこまで事業分として計上できるのか」

「30万円のパソコンはその年に全額経費にできるのか」

「車を仕事とプライベートの両方で使っている場合はどうするのか」

「売上の計上時期はこれで合っているのか」

といった判断は別に必要です。

個人事業主の場合、確定申告書を作成する前に、そもそも1年間の事業の利益を正しく計算する必要があります。

マイナポータル連携が便利になっても、この部分がなくなるわけではありません。

個人事業主は「申告書を作る前」が大切

個人事業主の確定申告というと、「3月までに申告書を提出すること」に意識が向きがちです。

しかし、実際には申告書へ数字を入力する前の段階が非常に重要です。

売上が漏れていないか。
必要経費が正しく計上されているか。
家事按分は適切か。
減価償却は正しく計算されているか。
青色申告の要件を満たしているか。
消費税の申告が必要か。

こうした内容によって最終的な所得や税額が変わります。

確定申告書等作成コーナーは入力された数字を自動計算してくれますが、「その数字を入れること自体が正しいのか」まで自動的に判断してくれるわけではありません。

ここが、給与所得者の還付申告などと、事業をしている方の確定申告との大きな違いです。

スマホで自分で確定申告しやすいのはどんな人?

税理士に依頼せず、自分で確定申告を行いやすいケースももちろんあります。

例えば、給与所得が中心で、医療費控除やふるさと納税などを申告するケースです。

マイナポータル連携を使えば、医療費や寄附金などの対象データを一括取得して自動入力できるため、以前よりかなり申告しやすくなっています。利用にはマイナンバーカード等が必要で、証明書の発行元がマイナポータル連携に対応していることなどの条件もあります。

事業をしている場合でも、取引が少なく、自分で帳簿を適切につけられており、税務上の判断に迷う部分がほとんどなければ、自分で申告することは可能です。

「確定申告は必ず税理士に依頼しないといけない」というものではありません。

こんな場合は税理士への相談を検討したい

一方で、次のような場合は、一度税理士へ相談した方がよいと思います。

売上や経費の整理ができていない

領収書や請求書を一年分まとめて保管したままで、利益がいくら出ているのか分からない。

この状態では、確定申告以前に帳簿を整理する必要があります。

経費にできる範囲が分からない

自宅家賃、通信費、車、交際費、広告費など、仕事とプライベートが混在する支出は判断に迷いやすいところです。

「とりあえず全部経費」にするのも、「怖いから全部経費にしない」のも適切とは限りません。

売上や利益が大きく増えた

前年より利益が大きく増えた場合、所得税だけでなく住民税、個人事業税、消費税なども含めて考える必要があります。

確定申告の直前になって税額を知るのではなく、できれば期中から納税額を予測しておきたいところです。

インボイス登録をしている

インボイス発行事業者になっている個人事業主は、所得税とは別に消費税の確定申告が必要になるケースがあります。

「所得税の申告はできたけど、消費税を忘れていた」とならないよう注意が必要です。

確定申告のたびに税金の金額に驚いている

毎年、

「こんなに税金がかかると思わなかった」

「払ったら手元のお金がなくなった」

という状態になっているのであれば、申告書の作り方だけではなく、日頃の数字の管理方法から見直した方がいいかもしれません。

確定申告が簡単になるほど「その前」が重要になる

私は、確定申告の手続きがスマホやマイナポータルによって便利になること自体は、とても良いことだと思っています。

入力や転記に使う時間は減らせる方がいいです。

ただ、その一方で、個人事業主の方にとって本当に大切なのは、「申告書をどう提出するか」だけではありません。

今年いくら利益が出ているのか。
税金はいくらになりそうなのか。
年末までにできる決算対策はないか。
税金を支払った後、手元にいくら残るのか。
来年の予定納税はどのくらいになるのか。

こうしたことを事前に把握しておく方が、経営では重要です。

確定申告書を完成させることは、一年間の経営の「ゴール」ではありません。

そこで出てきた数字を、次の一年の経営にどう使うかまで考えたいところです。

確定申告はいつから税理士に相談すればいい?

「確定申告の相談は2月や3月になってから」と思われる方も多いですが、個人事業主の場合は早い方が選択肢が増えます。

年が明けてからでは、その年の必要経費を増やしたり、各種制度を利用したりといった決算対策は基本的に間に合いません。

また、領収書や会計データが整理されていない場合、申告期限直前になるほど確認する時間も少なくなります。

特に、

利益が増えている
消費税の申告がある
初めて青色申告をする
開業したばかり
経費の判断に迷っている
帳簿が追いついていない

といった方は、確定申告期間が始まる前に相談しておくことをおすすめします。

よくある質問

マイナポータル連携を使えば税理士は必要ありませんか?

申告内容がシンプルで、ご自身で正しく判断できる場合は、税理士へ依頼せず申告することも可能です。

一方、個人事業主の売上・経費の判断や家事按分、減価償却、消費税などは、マイナポータル連携によって自動的に判断されるものではありません。

個人事業主でもスマホで確定申告できますか?

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、所得税のほか、個人事業者の消費税や青色申告決算書・収支内訳書等の作成にも対応しています。

ただし、事前に帳簿や売上・経費の数字を整理しておく必要があります。

マイナポータル連携には何が必要ですか?

国税庁は、マイナポータル連携の利用にはマイナンバーカードと、カード読取対応スマートフォンまたはICカードリーダライタが必要と案内しています。また、初回利用時には事前準備が必要です。

令和8年分の確定申告から初めて税理士に依頼できますか?

もちろん可能です。

ただし、申告期限直前は資料整理や確認に時間がかかることもあります。特に事業所得がある方は、早めに帳簿や必要資料の状況を確認しておくとスムーズです。

確定申告を税理士に相談したい方へ

令和8年分の確定申告は、スマホやマイナポータル連携によって、これまで以上に便利になります。

一方で、個人事業主の確定申告では、

「何を経費にしていいのか分からない」
「帳簿が正しくできているか不安」
「今年の税金がいくらになるか分からない」
「消費税の申告も必要なのか分からない」
「利益は出ているのにお金が残らない」

といった、申告書へ入力する前の悩みも少なくありません。

奈須大貴公認会計士・税理士事務所は、福岡市南区大橋を拠点に、個人事業主・フリーランスの方の確定申告や税務相談に対応しています。

単に申告書を作成して提出するだけではなく、売上・経費の確認、税額の見通し、決算対策、納税資金まで含めて、数字を今後の経営に活かせるようサポートします。

「今年は自分で確定申告できるのか、一度相談してみたい」
「今の帳簿の状態で申告できるのか確認してほしい」

という段階でも構いません。

福岡市で確定申告を税理士に相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。


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