【質問】
当社は、使用人及び役員がマイカー通勤をする場合の駐車場料金について、各事業所ごとの事情により以下のような方法をとっています。
〔1〕使用人及び役員が有料駐車場を使用した場合、その費用相当額の手当を支払う。
〔2〕有料駐車場を当社が借り上げ、使用人及び役員は無料で使用できる。
〔3〕有料駐車場を当社が借り上げ、特定の役員が無料で使用できる。
これらの課税上の取扱いを教えてください。
なお、マイカー通勤の場合のその通勤距離の区分に応じた通勤手当は、所得税法施行令で規定する非課税限度額相当額を支払っています。
【回答】
〔1〕は、駐車場等の料金相当額(上限5,000円)の通勤手当が非課税となる一定の要件を満たす駐車場等に該当する場合は非課税とされます。
〔2〕については、原則として課税関係は生じません。
〔3〕については、その経済的利益に相当する金額が給与とされます。
【関連情報】
《法令等》所得税法9条1項五号
所得税法施行令20条の2第2項
所得税法施行令20条の2第3項
所得税法施行規則2条の2第1項
所得税基本通達36-29
令和8年改正法附則1
【解説】
令和8年度税制改正により、マイカー通勤者が、駐車場等(駐車のための施設がその受ける通勤手当に係るその者の勤務する場所の周辺又はその者が通勤ために利用する交通機関の駅、停留所その他の施設の周辺にある場合に限ります。以下同じ)を利用し、その料金を負担することを常例とする者の1月当たりの非課税限度額については、通勤距離の区分に応じた非課税限度額(その交通用具を使用する距離が片道2km未満である者を除きます。)に1月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限:5,000円)を加算した金額とされました(所法9①五、所令20の2三、所規2の2①、令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用。)。
まず、〔1〕については、上記規定の要件に該当する場合は、1月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限:5,000円)は非課税とされることになります。
次に、所得税基本通達36-29は「使用者が役員若しくは使用人に対し自己の営む事業に属する用役を無償若しくは通常の対価の額に満たない対価で提供し、又は役員若しくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担することにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない。」としています。
そうしますと、〔2〕については、駐車場を無料で使用する使用人及び役員は一定の経済的利益を受けることになりますが、当社の福利厚生のための施設を利用したものと認められ、その経済的利益が著しく多額であると認められる場合を除き課税しなくて差し支えないことになります。
〔3〕については、上記通達の「役員だけを対象として供与される場合」に該当するため、その経済的利益に相当する金額が給与とされます。
【掲載日】
令和 8年 7月10日
上記掲載内容は、作成時の法令を基に作成しております。このため、個々の掲載内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
出典:TKC税務研究所
実務上のポイント
令和8年度税制改正により、一定の要件を満たす駐車場料金については、通勤手当の非課税限度額に加算されることとなりました。一方で、役員のみを対象とした駐車場の無償貸与は給与課税となるなど、制度の運用方法によって税務上の取扱いが異なります。
実際には、就業規則や給与規程、福利厚生制度なども踏まえて判断する必要があるため、制度を導入・見直す際には事前の確認が重要です。
今後も、制度改正や税務上の取扱いについて当事務所のwebサイトにて分かりやすく解説してまいります。

