【税務Q&A】給与の支払日を年の中途で変更した場合の年末調整

【質問】

 当社は、これまで前月21日から当月20日までの勤務分に係る給与を当月末に支給していましたが、本年10月より、給与の計算期間は変更せずにその支給日を翌月5日に改定して、翌月5日に支給することとしました。
 この結果、本年12月勤務分の給与は、翌年1月5日に支払われることになりますが、本年の給与に係る年末調整においては、翌年1月5日支払われる本年 12月勤務分の給与を含めて行うことになるのでしょうか。

【回答】

 翌年1月5日に支給される給与は、翌年分の給与の収入金額となりますので、本年の年末調整の対象とはなりません。
 したがって、本年1月末から9月末までに支給した給与の額と本年11月5日及び12月5日に支給した給与の額との合計額に本年中に支給した賞与の額との合計額を基にして年末調整をすることになります。

【関連情報】

《法令等》

  • 所得税法28条
  • 所得税法36条
  • 所得税法190条
  • 所得税基本通達36-9

【解説】

 年末調整は、本年中に支払の確定した給与、すなわち給与の支払を受ける人からみれば収入の確定した給与の総額について行います(所得税法190条)。
 この場合の収入の確定する日(収入すべき時期)は、契約又は慣習により支給日が定められている給与についてはその支給日、支給日が定められていない給与についてはその支給を受けた日をいいます(所得税基本通達36-9(1))。したがって、ご質問の翌年1月5日に支給する給与は、同日が収入として確定する日となりますので、翌年分の給与所得の収入金額となります。
 ご質問の場合、本年10月以降は、給与の支給日が変更されていますので、本年分の給与の収入金額として確定しているのは、〔1〕本年1月末から9月末までに支給した給与の額、〔2〕本年11月5日及び12月5日に支給した給与の額、〔3〕本年中に支給した賞与の額となり、この〔1〕から〔3〕の金額の合計額が本年分の給与所得として収入金額が確定したものですので、この合計額を基にして年末調整をすることになります。
 なお、翌年は、1月5日から12月5日にまでに支給される給与の合計額と同年中に支給される賞与の額との合計額を基に年末調整することになります。

【収録日】

平成26年10月31日
上記掲載内容は、作成時の法令を基に作成しております。このため、個々の掲載内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。

出典:TKC税務研究所


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