領収書は毎月送るべき?3か月分をまとめて送る場合の注意点を福岡の若手税理士が解説

皆さん、こんにちは!
福岡市を中心に活動しています公認会計士・税理士の奈須大貴です!

「領収書を毎月送るのが大変なので、3か月分をまとめて提出してもいいですか?」
当事務所では、このようなご相談をいただくことがございます。

そこで今回は、領収書3か月分をまとめて会計事務所に送ることの可否を解説します。

結論から言えば、まとめて送ること自体は問題ありません。
ただし、「どんな目的で会計処理をしているのか」を理解しておくことが大切です。

毎月の処理を後回しにするリスク

領収書3か月分をまとめて提出すると、その間の会計処理が止まってしまいます。
これには次のようなリスクがあります。

  • 現在の利益や経費の状況が分からない
  • 資金繰りの把握が遅れてしまう
  • 領収書の紛失や記入漏れに気づけない

特に、決算対策や来期に向けた投資判断をするタイミングで、過去の数字が整理されていないと適切な判断ができなくなってしまいます。「気づいたときにはもう手遅れ」というケースも少なくありません。

会計事務所が「毎月資料をください」と言う理由

会計事務所が毎月の資料提出をお願いするのは、単に記帳を進めるためではありません。

目的は、経営に役立つ数字をリアルタイムで作ることにあります。

毎月の数字を整理していれば、

  • 経費の使い方にムダがないか
  • 売上・利益の傾向がどう変化しているか
  • 資金繰りに余裕があるか
    といったことをすぐに把握できます。

数字は“過去の記録”ではなく、“これからの経営判断”のためのツールなのです。

まとめて送る場合の工夫

「毎月は難しいけれど、3か月ごとなら出せる」という場合もあるでしょう。
その際は、次のような工夫を取り入れてください。

  1. 月ごとに封筒やファイルを分ける
     →「10月分」「11月分」などと分けるだけで処理がスムーズになります。
  2. 領収書にメモを残す
     →「接待」「備品購入」など、使途を簡単に書いておくと仕訳ミスを防げます。
  3. クラウド会計ソフトを活用する
     →スキャンやスマホ撮影で保存すれば、事務所とデータを共有できます。リアルタイムで確認できるため、処理の遅れを防ぐことができます。

会計は「過去の整理」ではなく「未来の準備」

会計処理の目的は、過去の記録をまとめることではありません。数字を通して「次に何をすべきか」を判断するためにあります。

領収書を3か月分まとめて送ること自体は問題ありませんが、その結果、経営判断が遅れるようであれば本末転倒です。日々の数字を早く整理することで、資金繰りの見通しが立ち、チャンスを逃さない経営が実現します。

まとめ

  • 3か月分をまとめて送っても問題ないが、処理の遅れに注意
  • 会計の目的は「経営判断に使える数字をつくること」
  • 月ごとの管理やメモを習慣化すると精度が上がる
  • デジタル化やクラウド化で効率的に共有できる

奈須大貴公認会計士・税理士事務所では、経営者さんが「数字を経営の武器にする」ためのサポートを行っています。資金繰りに悩まない経営をしたいという方・会社にしっかりとお金を残したいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。お問い合わせ


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