皆さん、こんにちは。
福岡市を中心に活動しています若手公認会計士・税理士の奈須大貴です。
「黒字なのにお金が増えない」
「頑張って売上を伸ばしているのに、資金繰りが苦しい」
そんな悩みを抱える経営者の方は少なくありません。
実は、原因の多くは「数字の使えていない」ことにあります。
多くの経営者が数字を経営のために使えていないのです。
この記事では、会社にしっかりお金を残すための実践的な考え方を、お金のプロである公認会計士・税理士の奈須大貴が解説します。
管理会計を導入しよう
会計には三つの種類があります。税金計算のための「税務会計」、外部への報告のための「財務会計」、そして経営判断のための「管理会計」です。
管理会計は未来の経営のための会計であり、過去を報告するだけでなく「これからどう動くか」を判断するための数字を整える仕組みです。
数字を“過去の記録”から“経営の武器”に変えることが、黒字経営と資金繰り改善の第一歩になります。
費用を「変動費」と「固定費」に分ける
管理会計の最初のステップは、すべての費用を「変動費」と「固定費」に分けることです。
変動費は売上に応じて増減する費用(仕入・外注費など)、固定費は売上に関係なく発生する費用(人件費・家賃など)です。
この区分を行うだけで、会社の利益構造が一気に見えるようになります。
売上から変動費を差し引いた「限界利益」は、実質的に会社に残るお金です。
この限界利益で固定費を賄うことができて、初めて会社は利益を生み出します。
売上を増やしたいからといって安易に値下げをする人がいますが、変動費は変わらないため、結果として限界利益は減少します。
つまり、売上を上げても実際に会社に入るお金が減ってしまうのです。
この構造を理解しているかどうかが、経営者としての分岐点になります。
利益を生み出す4つの行動ポイント
利益を増やす方法は複雑ではありません。
会社の数字を動かすレバーは次の四つです。
- 売上を伸ばす
新規顧客の獲得、単価アップ、リピート率の向上など、売上の要素を具体的に分解して考えます。 - 変動費を下げる
仕入価格の見直しや外注コストの削減により、限界利益率を改善します。 - 労働分配率を下げる(=生産性を上げる)
人件費を削るのではなく、1人あたりの限界利益を高めることを目的にします。
“人を減らす経営”ではなく、“人を活かす経営”を実現しましょう。 - 固定費を見直す
広告費やオフィス費用、システム費などを定期的にチェックし、無駄を削減します。
これらの改善ポイントを部署や担当者単位で実践し、毎月数字でモニタリングすることで利益体質が生まれます。
行動し、数字で振り返る
計画を立てるだけでは経営は変わりません。
重要なのは、実行し、その結果を数字で振り返ることです。
部門ごとにKPIを設定し、月次の損益や限界利益率を確認します。
実績と計画のズレを分析し、翌月の改善行動につなげます。
この“行動→分析→改善”のサイクルを回せる会社は、確実に強くなります。
節税よりも正しい納税を
「節税=良いこと」と思われがちですが、これは大きな誤解です。
無理な節税は、手元資金を減らし、自己資本を弱め、会社の信用力を低下させます。
税金を払うということは「利益を出した」という証拠です。
納税は会社の成長の証であり、信用の積み上げでもあります。
節税ではなく、利益を出して正しく納税する経営こそが最強の経営です。
数字で会社を強くする
利益を出し、お金を残すためには明確なステップがあります。
- 管理会計を導入する
- 費用を変動費と固定費に分ける
- 売上・変動費・生産性・固定費を改善する
- 毎月数字で振り返り、行動を修正する
- 正しく納税して信用を積み上げる
この5ステップを継続することで、会社の経営体質は大きく変わります。
数字を“経営の羅針盤”として使いこなすことが、黒字経営と安定成長への近道です。
最後に
奈須大貴公認会計士・税理士事務所では、数字を経営の武器にするためのサポートを行っております。
・資金繰りを安定させたいという方
・数字を根拠に経営判断をしたいという方
・会社にしっかりとお金を残したいという方
そんな経営者の皆さまを当事務所では、全力でサポートさせていただきます。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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所長 奈須大貴
