【質問】 個人事業主Aが、令和7年において小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用対象である状況において、同年12月中に簡易課税制度選択届出書を提出した場合、簡易課税制度の適用を令和7年課税期間から受けることは可能でしょうか。
また、可能な場合において、令和7年課税期間は2割特例と簡易課税制度とのいずれか有利な制度を選択適用することができるとの理解で差し支えないでしょうか。
なお、Aは、令和5年課税期間及び令和6年課税期間において2割特例を適用しています。
【回答】 2割特例について規定する28年改正法附則第51条の2第1項では、「新消費税法第30条から第37条までの規定により……課税標準額に対する消費税額から控除することができる……課税仕入れ等の税額の合計額は、新消費税法第30条から第37条までの規定にかかわらず、特別控除税額とすることができる。」としています。
すなわち、同項の経過措置は、簡易課税制度を選択している事業者も対象としていることになります。
簡易課税制度の適用を受ける場合に提出することとされている「簡易課税制度選択届出書」は、原則として、これを提出した日の属する課税期間の翌課税期間からその効力が生ずるものとされています(消法37①)。しかし、28年改正法附則51条の2第6項では、「第1項の規定(2割特例)の適用を受けた適格請求書発行事業者が、消費税法第37条第1項の規定による届出書を当該適用を受けた課税期間の翌課税期間中にその納税地を所轄する税務署長に提出した場合において、当該届出書に当該届出書を提出した日の属する課税期間について同項の規定の適用を受ける旨を記載したときは、当該届出書を当該課税期間の初日の前日に当該税務署長に提出したものとみなして、同項の規定を適用する。」しています。
ご質問の個人事業者Aは、適格請求書発行事業者であり、令和6年課税期間について2割特例の適用を受けていますから、令和7年課税期間中に当該課税期間を適用開始課税期間として簡易課税制度選択届出書を提出した場合には、令和6年課税期間の末日に提出したものとみなされるので、令和7年課税期間から簡易課税制度の適用を受けることは可能です。しかし、2割特例は、「できる」規定ですから、2割特例の適用を受けることができる状態にあっても、実際に適用するかどうかは納税者の任意であり、適用しない場合には簡易課税制度を適用することになります。
【関連情報】
《法令等》消費税法37条1項
平成28年改正法附則51条の2第1項
平成28年改正法附則51条の2第6項
【掲載日】
令和 8年 2月10日
上記掲載内容は、作成時の法令を基に作成しております。このため、個々の掲載内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
出典:TKC税務研究所
