【質問】 国外事業者であるA社は、販売先はほとんどが事業者であることから、適格請求書発行事業者の登録を受けようと考えています。国外事業者が「適格請求書発行事業者」の登録を受けるには、どのような手続で行うのでしょうか。
【回答】 適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者に限られます。
国外事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合(登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます。)には、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)」(インボイス様式通達第1-(4)号様式)を提出する必要があります(消法57の2②、消基通1-7-1)。
登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を通知することとされています(消法57の2③④⑤⑦)。
なお、登録を受けようとする国外事業者が、特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者をいいます。)に該当するかどうかの区分ごとに、それぞれ次のいずれかの事実に該当すると認められるときは、登録を拒否される場合があります(消法57の2⑤)。
【特定国外事業者の場合】
(1)消費税に関する税務代理の権限を有する税務代理人がないこと。
(2)納税管理人の届出をしていないこと。
(3)現に国税の滞納があり、かつ、その滞納額の徴収が著しく困難であること。
(4)登録を取り消され(次のイ又はロのいずれかに該当したことにより取り消された場合に限ります。)、その取消しの日から1年を経過しない者であること。
イ 消費税につき期限内申告書の提出がなかった場合において、当該提出がなかったことについて正当な理由がないと認められること。
ロ 現に国税の滞納があり、かつ、その滞納額の徴収が著しく困難であること。
(5)消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者であること。
【特定国外事業者以外の事業者の場合】
(1)納税管理人を定めなければならない事業者が、納税管理人の届出をしていないこと。
(2)消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者であること。
(注)法人が消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた場合において、当該法人の代表者が法人とともに罰金以上の刑に処せられたときは、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しなければ、代表者は個人事業者としての登録も受けることができません。
したがって、国内に本店又は主たる事務所を有しないA社は、国内に事務所又は事業所を有しない場合、適格請求書発行事業者の登録申請に際して、納税管理人を定め、その旨を所轄税務署長に届け出る必要があます(通則法117①、②)。
また、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所等を国内に有しない(特定国外事業者に該当する)場合には、併せて消費税に関する税務代理の権限を有する税務代理人を設ける必要があることになります。
【関連情報】
《法令等》消費税法57条の2第2項
消費税法57条の2第3項
消費税法57条の2第4項
消費税法57条の2第5項
消費税法57条の2第7項
消費税法基本通達1-7-1
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する申請書等の様式の制定について(法令解釈通達)第1-(4)号様式
国税通則法117条1項
国税通則法117条2項
【掲載日】令和 8年 2月10日
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出典:TKC税務研究所
