皆さん、こんにちは。
公認会計士・税理士の奈須大貴(ナスヒロキ)です。
今回は、前回に引き続き、「経営力向上」のヒント~中小企業のための「会計」活用の手引き~という中小企業庁より公表されているパンフレットの内容を紹介していきたいと思います!!!
実際のパンフレットは、以下よりご確認いただけます。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/2016/160510kaikei.pdf
今回は、第1章の1に記載されている内容についてです。
会計を活用することで、経営者のどんな問題を解決できるのか?ということで5つ紹介されております。
(1) お金のことで心配していませんか?
(2) 何故か赤字になってしまったことがありませんか?
(3) 会社の課題が見えていますか?
(4) 社員は動いてくれますか?
(5) 得意先や金融機関が望む企業とは?
では、それぞれについて見ていきましょう!!!
(1) お金のことで心配していませんか?
これは資金繰りの話です。
やはり、経営をしていると資金繰りというのはすごく重要です。
「資金繰り」の心配は、実は単純な「お金がない」という悩みではありません。将来、お金がいくら入り、いくら出て、いくら残るかが早めにわかれば、余裕を持って「対策」ができます。
そして、「会計」には曖昧だったお金の動きを明確にするという役割があるんです。お金の動きが早く「見えるように」なれば、先々の漠然とした不安は解消でき ます。先手を打って、資金調達、営業強化、商品力向上、投資の実施といった対策を行う余裕ができるからです。
どんぶり勘定の経営ではなく、「早く」お金の動きを見えるようにすることが、「お金の心配」から開放されるための、はじめの一歩です!!!
資金繰りの心配から解放されたいのであれば、「会計」を活用しない手はありません!!!
(2) 何故か赤字になってしまったことがありませんか?
数字を見ているだけで、なんとなく会社の状況がわかったような気になっていませんか???経験を積んだ経営者やベテラン社員ではなおさらでしょう。
しかし、実際はどうでしょうか?
数字を大雑把に把握しているだけでは「儲かっている」と思っていたのに、実は「赤字だった」ということが起こります。
決算の時期になって、赤字だと慌てるようでは、安定した経営を行うことは到底できません。
上手に会計を活用することで、なぜ赤字になったのか、何が儲からなかったのかを把握できるようになるんです!!!
このためには、自計化を行い、月次決算を毎月きっちりと行う。そして、必要に応じて部門別会計を行うというのがすごく重要になってきます。
月次決算???なんじゃそりゃ?と思った方も多いのではないかと思います。決算って、年に一回、決算の時にやるもんじゃないの?という方もいると思いますが、それではダメなんです。確かに、税法や会社法ではそれでもOKです。
しかし、会社の経営を行っていくうえでは、絶対にNGです。
ここで、帳簿を作成する本来の目的をご紹介します。
1. 会社の状況を数字で正しく把握すること
2. 業績の進捗状況を確認すること
3. 課題を早期に発見して、早期に対策を講じること
どれもすごく大事なのですが、月次決算の重要性という意味では、3.については、絶対に理解していただきたいところです。
「月次決算」と対極にある言葉として「年一決算」があります。
「年一決算」というのは、そのままの意味でして、年に1一度だけ決算を行うということです。年に一度の決算は、1年の終わりに行うものです。
3月決算であれば、3月が終わって、4月以降に行うことになります。
このタイミングで決算を行ってみた結果、経営上の重要な問題点が見つかったとしたら、どうでしょうか???
場合によっては、もう手遅れ、、、
なんてことも起こりうるんです。
しかし、毎月しっかりと月次決算を行っていれば、
会社の状況を数字で正しく把握し、業績の進捗状況を確認したり、課題を早期に発見して、早期に対策を講じることで、そのような事態は避けることができるのです!!!
多くの会社ではタイムリーに帳簿の作成は行っていると思います。
でも、なぜか月次決算は行っていないんです。
せっかく帳簿をつけているんだったら、毎月しっかりと月次決算をやってもらいたいなと思います。
(3) 会社の課題が見えていますか?
「会計」から「会社の内側」を読み解くには慣れが必要です。しかし、税理士などの会計専門家から助言を得ながら、毎月分析を続けることで、徐々に、見方のコツがつかめるようになってきます。
数字の見方についてですが、売上高、限界利益率、固定費のバランスを確認するということがすごく大事です!!!
特に限界利益率に大きな変動があった場合には、問題が生じている可能性が高いですので、早めに原因を追及して、対策を講じることが大事になってきます。
大事なことは数字の裏に隠れている問題を見つけることです。数字を眺めるだけでなく、営業マンや製造現場の社員、接客をしているパートさんなどと一緒に改善すべき課題を見つけることが何より大切です。
勘や経験それ自体は大変貴重なものですが、会計を上手に活かすことで、効率的で効果的な経営が可能になります。
ここで、税理士って、仕訳入力をやってくれて、税務申告をしてくれる人じゃないの?と思った方もいるのではないかとおもいます。
そのようなイメージが勝手に先行しているんですが、実はそうではありません。
税理士や公認会計士というのは会計の専門家です。
なので、会社の数字を見て、何が課題なのかがわかるんです!!!
ですので、これから事業を始めるという方は、ただ単に記帳代行と税務申告だけやってくれればいいや!ということで税理士を探すのではなく、数字の見方や使い方をしっかりと教えてくれる税理士を探すことをお勧めします。
記帳代行や税務申告だけをやってほしいという依頼は確かに多いのですが、それでは、タイムリーに数字を把握することは到底不可能です。
ですので、そういう依頼をしてしまうと、月次決算で、会社の状況を数字でタイムリーに正しく把握し、業績の進捗状況を確認したり、課題を早期に発見して、早期に対策を講じることができなくなってしまいます。
会社の課題が見えなくなってしまいます。
「会計」を活用することで、会社の課題を早期に発見し、早期に対策を講じることがやはり大事ですからね!!!
少し長くなってしまったので、ここで一旦お開きにしようと思います。
次回は、以下を説明してみようと思います。(来週月曜日に公開予定です)
(4) 社員は動いてくれますか?
(5) 得意先や金融機関が望む企業とは?
最後に、奈須大貴税理士事務所では、税務顧問サービスを提供しております。
当サービスでは、毎月の月次決算をしっかりと行い、会社の状況を数字で把握し、業績の進捗状況を経営者様と一緒に確認を行います。そのうえで数字から読み取れる経営上の課題から、今後のうち手を考えるサポートをさせていただいております。
事業を成長させたいという経営者様の夢を会計力で応援させていただきます!!!
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。お問い合わせ
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
あなたの夢、会計力で応援します!!!
奈須大貴税理士事務所